このサイトでは、医療業界に精通し、求職者の皆さまに寄り添う転職支援サービス「メディチェンジ」だからこそお伝えできる、医療事務の転職成功のポイントを詳しくご紹介します！
「事務」と一口にいっても、医療事務は職場の種類（病院かクリニックかなど）や診療科目によって業務内容が大きく異なります。
例えば、総合病院では診療科ごとに担当が分かれていたり、入院対応があったりと、業務が細分化される傾向にあります。一方、クリニックでは、受付・会計・レセプト業務・診療補助などを少人数で幅広くこなすことが求められることが多いです。また、診療科によって使用する医療用語や算定制度が異なるため、それぞれの専門知識が必要になります。
「転職したい」と思ったときには、つい給与や働き方などの条件を重視してしまいがちですが、職場環境や求められる知識、得られる経験などに着目した職場選びをすることも大変重要です。まずは勤務先による違いを把握し、その上で必要な対策を行っていきましょう。
医療事務の職場別 働き方の違い
病院とクリニック（診療所）
まずは、病院とクリニック（診療所）のそれぞれの働き方について見てみましょう。 なお、病院とクリニックの定義については以下の通りです。
| 病院 | 20床以上の入院設備を持つ医療機関 |
|---|---|
| クリニック （診療所） |
19床以下、または無床の医療機関 |
一般的に、病院は複数診療科であるため、診療科ごとに医師が複数人在籍しています。一方、クリニックは院長の専門分野の一診療科、もしくは院長が複数診療科を幅広く担当する形が多いのが特徴です。
また、病院は夜間・救急対応を備えている場合が多く、勤務時間もそれに応じてシフト制で組まれることがほとんどですが、クリニックの場合は診療時間が固定されていることが多いです。
働き方の違い
| 項目 | 病院 | クリニック （診療所） |
|---|---|---|
| 業務内容 | 受付 会計 レセプト業務 入院対応 診療科ごとの事務作業 |
受付 会計 レセプト業務 診療補助（採血の補助などを行うことも） |
| 勤務時間 | シフト制（夜勤・早番・遅番など） | 日勤が多い診療時間に準ずる |
| レセプト 業務 |
診療科が多く、算定制度が複雑 | 診療科が限られているため、比較的シンプル |
| 患者対応 | 1日の患者数が多く、業務は流れ作業になることが多い | 患者数が少なく、一人ひとりと向き合いやすい一方でイレギュラー対応が起こりやすい |
| 求められる スキル |
診療報酬請求の知識 電子カルテ操作 他部署との連携 |
幅広い業務をこなす柔軟性 患者対応力 |
| 職場の特徴 | 職員数が多く、役割が細分化されている | 少人数で運営されるため、業務内容や裁量権が広い |
| キャリア パス |
病院や法人内で、事務長などの管理職、医療秘書などの専門職を目指す道もある | 幅広い業務経験を活かし、他のクリニックや病院へ転職し、経験を積んでいく道が多い |
どちらが向いている？
病院向きの人
専門知識を深めたい、大規模な環境で働きたい、キャリアアップを目指したい人 など
クリニック向きの人
患者とじっくり関わりたい、決まった時間で働きたい、幅広い業務をこなしたい人 など
診療科別
内科
内科の特徴
- 風邪、高血圧、糖尿病などの慢性疾患を中心に診療
- 比較的患者数が多く、幅広い疾患に対応
医療事務の主な仕事内容
- 受付・会計・診療報酬請求（レセプト業務）
- 保険診療の知識が広範囲に必要
- 生活習慣病管理料などの算定業務が多い
消化器内科
消化器内科の特徴
- 胃腸・肝臓・膵臓・胆嚢の疾患を診療
- 内視鏡検査を行っていることが多い
医療事務の主な仕事内容
- 内視鏡検査の予約管理
- 検査前後の説明・フォロー
- 検査が入る時間帯（午前中が多い）が忙しい
- クリニックでも病院でも対応範囲が広い
外科
外科の特徴
- 病院の場合、手術や急患対応を伴うことが多いが、クリニックの場合、軽傷の処置が中心
医療事務の主な仕事内容
- 手術や入院の有無で大きく異なる
- 病院では、手術・入院費の計算や請求、手術加算のレセプト業務が中心
- 外来と入院の管理業務が発生し、多忙になりやすい
- クリニックでは外来手術や処置の対応が中心
小児科
小児科の特徴
- 子ども特融の疾患や予防接種を扱う
- 保護者対応も重要
医療事務の主な仕事内容
- 予防接種のスケジュール管理・説明
- 乳幼児医療費助成制度に関する業務
- 感染症対応が多いため、隔離対応の調整を行うことも
- クリニックが多く、診療時間内での勤務が叶いやすい
産婦人科
産婦人科の特徴
- 妊娠・出産・婦人科疾患などを診療
- 分娩や不妊治療
医療事務の主な仕事内容
- 出産育児一時金や助成制度の手続き
- 自費診療（不妊治療、ブライダルチェックなど）の会計対応
- 分娩予約・スケジュール管理
- 病院勤務の場合、夜勤・緊急対応あり
眼科
眼科の特徴
- 白内障・緑内障・網膜疾患などの診療・手術
- 視力検査、眼鏡・コンタクト処方など
医療事務の主な仕事内容
- コンタクトレンズ処方の会計処理
- 白内障手術などの保険請求
- 予約診療が多く、スケジュールが安定しやすい
- 病院であっても夜勤はほとんどない
耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科の特徴
- 耳・鼻・喉の病気の診療、アレルギー治療
- 花粉症シーズンは患者数が増える
- 子どもの受診も多い
医療事務の主な仕事内容
- 聴力検査、めまい検査の対応
- 補聴器相談のスケジュール管理
- 季節によって繁忙期がある
- 予約制を導入していても予約通り進まないことも多く、待合室や電話問い合わせ対応が比較的多い
皮膚科・美容皮膚科
皮膚科・美容皮膚科の特徴
- 皮膚科では、アトピー、ニキビ、湿疹、皮膚がんなどの保険診療
- 美容皮膚科の場合は、美容目的の自費診療が中心
- 集患のため土日も診療をすることが多い
医療事務の主な仕事内容
- 施術の予約管理
- カウンセリング補助
- 予約制が多く、イレギュラー対応も少ないため、残業が少なめ
- 土日勤務が発生しやすい
泌尿器科
泌尿器科の特徴
- 尿路感染症、腎臓・膀胱疾患、前立腺疾患などを診療
- 高齢患者、男性患者が多い
医療事務の主な仕事内容
- 尿検査や膀胱鏡検査の予約管理
- 前立腺がん検診などの保険適用の確認
- 男性更年期やED治療など自費診療の対応
- 比較的予約診療が多く、イレギュラー対応も少ないため、勤務時間が読みやすい
精神科
精神科の特徴
- うつ病・不安障害・ストレス・統合失調症などを診療
- 長期的な治療が必要
医療事務の主な仕事内容
- 自立支援医療制度の申請サポート
- 精神科特有の診療報酬請求
- 完全予約制がほとんどで、落ち着いた対応ができる
- 一方で、エリアや医師によっては数か月先まで予約が埋まっていることもあり、その場合管理業務が煩雑になる
- クリニック内で、患者が急に暴れたりパニックに陥ってしまったり場合の落ち着いた対応が求められる
整形外科
整形外科の特徴
- 骨折・関節疾患・スポーツ障害・リウマチなどを診療
- リハビリ対応
- 交通事故や労災によるけがを診療することも
医療事務の主な仕事内容
- リハビリの予約・請求業務
- 骨折や手術の診療報酬計算
- 労災保険などの手続き
- 手術対応のある病院は忙しい
麻酔科
麻酔科の特徴
- 手術や処置の際の麻酔管理
- 痛みの治療（ペインクリニック）も担当している
- 単独で標榜することはほとんどない
医療事務の主な仕事内容
- 麻酔加算の診療報酬請求（全身麻酔・局所麻酔など）
- 手術スケジュールの調整・管理
- ペインクリニックでは自由診療の会計対応（神経ブロック注射など）
- 病院勤務が主で、手術のスケジュールによって勤務時間が決まる
放射線科
放射線科の特徴
- 病院内でCT・MRI・レントゲンなどの画像診断
- 直接患者と接する機会は少なめ
医療事務の主な仕事内容
- 画像検査の予約・スケジュール管理
- 造影剤使用時の事前説明・同意書の準備
- 検査データ管理、診療報酬請求（CT・MRI・核医学検査など）
- 予約制がほとんどであるため、時間管理しやすい
- 検査数が多く、事務作業量が多め
救急科
救急科の特徴
- 急病・外傷などの緊急対応
- 24時間体制で診療を行う
- 初期診療後、専門科へ振り分ける役割
医療事務の主な仕事内容
- 緊急入院の手続き・診療報酬請求（救急加算など）
- 搬送患者の受付・トリアージ業務サポート
- 24時間体制のため、夜勤・シフト勤務が必須
- 突発的な業務が多く、臨機応変な対応が求められる
在宅医療
在宅医療の特徴
- 自宅や施設に定期的に伺い、健康管理・治療を行う
- 24時間体制や緊急対応がある
医療事務の主な仕事内容
- 訪問診療のスケジュール管理
- 在宅療養費の請求
- 訪問スケジュールに準ずる勤務時間となる
- 医療事務が緊急対応に同行することは少ない
歯科
歯科の特徴
- 虫歯、歯周病、インプラントなどの診療
医療事務の主な仕事内容
- 歯科診療報酬の請求
- 予約管理
- 土日も診療していることが多いので、シフト制となる
- クリニックが多い
医療機関以外での働き方
医療事務のスキルを活かして、医療機関以外で働ける職場には以下のような選択肢があります。
- 調剤薬局
- 老人保健施設などの介護・福祉施設
- 保険会社
- 医療系システム会社（電子カルテ・レセプト関連）
- 製薬会社・医療機器メーカー
- 医療系コールセンター
- 一般事務 など
医療事務の面接対策
医療事務は未経験からでも始めやすい職種だからこそ、「なぜ医療事務なのか」「医療事務の中でもなぜこの病院・クリニックなのか」「自分はどう貢献できるか」を明確にし、応募先にわかりやすく伝えることが大変重要です。
また、病院・クリニックの窓口的存在でもあるので、相手に対して好印象を与えられるかという点も見られます。事前準備をしっかり行い、自信を持って臨みましょう！
1.簡潔でわかりやすい自己紹介
面接の冒頭では、必ず自己紹介を求められますので、簡潔かつ第一印象を良くする自己紹介文をあらかじめ考えておきましょう。
例文
「はじめまして、○○と申します。前職では○○クリニックで医療事務として受付や会計業務を担当しておりました。患者さまへの丁寧な対応を心がけ、スムーズな診療運営に貢献してまいりました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」
2.志望動機
医療事務は多くの医療機関で募集されています。その中でなぜその病院・クリニックを選んだのか、具体的に伝えましょう。また、自分の経験やアピールポイントと絡めて、自分がどのように貢献できるかについても触れることができると、なお素晴らしいです。上記の病院・クリニック、診療科ごとの働き方の違いもぜひ参考にしてください。
例文
「私は患者さま一人ひとりに寄り添う対応を大切にしており、貴院が地域医療に力を入れている点に魅力を感じました。これまでの受付業務やレセプト業務の経験を活かし、貴院のスムーズな診療運営に貢献したいと考え、志望いたしました。」
3.経験のアピール
自身の経験を簡潔にまとめながら、職歴だけでなく具体的に何を意識して業務に取り組んでいたかのか、それらの経験から何を学んだのかについて述べましょう。
例文
「前職では○○病院で3年間、受付・会計・レセプト業務を担当しておりました。特にレセプト業務では、保険請求のミスを防ぐためにダブルチェックの仕組みを取り入れ、月間の修正件数を20％削減しました。また、待ち時間短縮のため、事前問診の仕組みを導入し、患者さまの満足度向上に努めました。」
医療事務未経験の場合は・・・
医療事務は未経験でも比較的挑戦しやすい職種です。ただし未経験の場合、資格や医療事務としても経験でアピールすることができないので、業務に対する意欲や前職での経験を活かせる点を強調することが大切です。
例文
志望動機
「人と接する仕事が好きで、患者さまをサポートできる医療事務に興味を持ちました。」
経験のアピール
事務職経験：「書類作成や電話対応の経験があり、正確かつ迅速な業務遂行が得意です。」
接客業経験：「お客様対応の経験があり、患者さまに丁寧な対応ができると考えています。」
医療事務の知識を学んでいることをアピール
「現在、医療事務講座で学習中です。また、レセプトの基礎知識を勉強し、実務に活かせるよう努力しています。」
長く働く意欲を伝える
「未経験ではありますが、長く勤務しスキルを身につけて貢献したいと考えています。」など
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